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September 2005 - Japanese

リアリスト

ネバーランド・パークのマルセロ・ペリアレスはラテンアメリカに「全体像」を見せる

ジェレミー・スクールフィールドJeremy Schoolfield

 

娯楽産業には、最高に豪華な最新アトラクションで新たな顧客を呼び寄せようという生来の願望がある。十分な予算に恵まれているパークなら、別に問題はない。

しかしラテンアメリカの娯楽業界をリードするネバーランド・パークファミリー・エンターテイメント・センターのチェーンの社長、マルセロ・ペリアレスMarcelo Perialesは、ラテンアメリカのように金融市場が不安定で産業税が極端に高い地域では、予算を増やしても長期的に採算が合わないと言う。ペリアレスによれば、ラテンアメリカでは、別に世界最大でスリル満点のローラー・コースターが求められているわけではない。人々を満足させるために必要なのは、忙しい日常の合間に何時間かの間、子供を安全に遊ばせておける場所なのだ。

刺激と実用主義の微妙なバランスを見つけるのがポイントだとペリアレスは言う。「市場をよく理解し、市場が提供できるものの限界を把握しなければなりません。十分に魅力的で、なおかつ手の届くものが見つかれば、均衡を保つことができます。」

 

高まる影響力

ペリアレスは、娯楽産業の成功と共に人生を歩んできた。1955年にアルゼンチンのリオ・セバロスで生まれたペリアレスは、リオ・セバロスが観光都市であったことが彼のクリエイティブな想像力を育てるのに一役買ったと考えている。

近隣のコルドバに、1989年、アルゼンチン初のFECであるネバーランド・パーク第1号店をオープン。それまで、アルゼンチンで娯楽といえば、動物園やサーカス、公園での散歩など屋外で時間を過ごすものが主流だった。ネバーランドは、地元の人と旅行者の両方にとって、天気が悪いときの格好の行き場所となった。アルゼンチン全国にショッピング・センターが出現し始めた3年後、ネバーランドに次の転機が訪れる。全国に複数のネバーランドをオープンする準備ができたのだ。

ペリアレスは、FEC帝国の拡大を機に、高まる影響力を利用して業界への貢献を目指すようになった。その後の10年間、アルゼンチン・パーク・アトラクション協会会長を務め、IAAPAの理事会やGlobal Alliancesの調査会、ラテンアメリカ・パーク・アトラクション協会の諮問委員会に参加している同協会では会長も歴任

ペリアレスは、業界全体のプロ意識を高めようというIAAPAの努力を高く評価しており、そのコンセプトを故郷のラテンアメリカに広める試みを続けてきた。

彼によれば、北米人がラテンアメリカの通貨に対する米ドルの価値の高さを利用して少ない予算ですばらしい休暇が過ごせると気付いて以来、過去数年の間にラテンアメリカの旅行業は飛躍的に成長した。しかし、ペリアレスの重要な任務の一つは、娯楽産業がラテンアメリカの旅行業界全体、しいては経済全体にとっていかに重要かを政府に知らしめることだ。

その一環として、今年に入ってからペリアレスはIAAPの会長兼CEOであるJ・クラーク・ロビンソンをラテンアメリカに招待し、一連のパーク訪問を手配した。ラテンアメリカ諸国の政府高官に、旅行業が立派な産業であり、地元の人々に大きな収益をもたらすということを見せるのが意図である。

「クラーク氏がアルゼンチンを訪問したことは大変に重要な出来事でした」とペリアレスは言う。「会長が来たというだけで、業界全体の重要度が認識されるからです。」

ラテンアメリカの娯楽産業は米国のような実績を持たない。たとえば、家の近くにパークがあるという人々は全人口の510パーセントに過ぎず、これらの人々も平均して1年に1回パークを訪れるだけだ。また、IAAPAは米国では長年にわたってありとあらゆる種類の統計データを集めているが、ラテンアメリカではペリアレスが「業界をプロフェッショナル化する」努力の一環としてラテンアメリカ協会とアルゼンチン協会を指揮してデータの回収に着手したばかり。ペリアレスによれば、ラテンアメリカは米ドル比での通貨価値が低いため、北米人にとって魅力的な旅行先となりつつある。そこで彼は、旅行業を推進することでラテンアメリカ諸国にもたらされる利益の大きさを、IAAPAのデータを使って証明しようとしているのである。

 

繰り返す価値のある体験

つまりペリアレスの目的は、ラテンアメリカの政府と娯楽産業を同時に教育することだ。今月は、年1回開かれるアルゼンチン教育セミナーの第2回を主催するが、これはコーネル大学で開かれたIAAPAのプログラムを基礎としている。ペリアレスの目標の一つは、ラテンアメリカの産業界に、提供するサービスや製品を多様化することがいかに重要かを知らせることにある。彼は、1つの製品に専念してはいけないと考えている。

「私たちは、大きな転換を必要としています。ラテンアメリカの企業の多くは、ゲームに気を取られていて、娯楽の部分を忘れがちです。人々を楽しませ、多様な経験を生み出すにはどうしたらいいか、考える時が来たのです。市場で生存するのは簡単なことではありません。」

「業界は、これまで以上に体験的要素に力を入れる必要があります」と彼は言う。「顧客に新しい体験を提供できなければ、固定客をつかむことができません。」

固定客を得ることで、パークは、費用を抑えながらも客に十分なサービスを提供することができる。ペリアレスは、お金だけで問題が解決できるわけではないと言う。彼の会社のモットーは、型にはまらない考え方で、大規模な資本投資をせずに客を楽しませる独創的な方法を見つけ出すことだ。「設備への再投資は長いサイクルで行っています。ですから、顧客への対応という点でいろいろな工夫をしなければならないのです」とペリアレスは言う。一方、ラテンアメリカの企業には、「米国のモデルを取り入れようとして」過剰投資に走る傾向がある。

大規模な投資は「期待されるほどの収益をもたらさないので、意味がありません」とペリアレスは言う。「過去10年の間、ラテンアメリカでは大きなプロジェクトが失敗に終わってきました。主な原因に(資本の)過剰投資が挙げられます。(投資効果に対する)期待が現実離れしていたケースもあります。成功するためには、家族連れが全員で楽しめるような親しみのある環境を作り出す必要があります。」来場者は、「健全で安全な環境」で連れ立って時間を過ごせる場所、わずらわしい日常を締め出してくれる避難場所を求めているのだ。

彼によれば、「もちろん、そういう娯楽を作り出すには最高のサービスを提供しなければなりません。最善を尽くし、毎日、同じレベルのサービスを繰り返せることが鍵となります。従業員たちには、いつも、雪の上に何かを書くようなものだと説明しています。雪が降り積もるたびに薄くなってしまう文字を、繰り返し繰り返し書き直すのと同じなのです。」

最高品質と完璧を目指す絶え間ない努力が実り、1997年以来、ペリアレスのネバーランド・パークのうち3軒が、国際ファミリー・ファン・センター協会が最高のFECに贈る栄誉ある金メダルを受賞している。

ゲーム製造業者、Bobs Space Racersの社長、ジャック・メンデスJr.Jack Mendes Jr.は言う。「私が見てきたペリアレスのプロジェクトは、驚異的なものばかりです。華やかで楽しくて、配置が優れていて、従業員がよく訓練されています。施設として一流です。」

長年にわたって数々のプロジェクトでペリアレスと協力してきたメンデスにとって、ペリアレスの成功は当然の結果に過ぎない。メンデスによれば、「彼はあらゆる面で熱心です。企画から設計、製作まで、すべてに彼本人が関与しています。非常に魅力ある人物で、皆、その指導力に感銘を受けずにはいられません。ペリアレスは、一流のパークを運営しています。こんなパークだったら、世界中の誰もが設置したがるだろうと思います。」

「良いゲームではなく、良い体験を提供するのがポイントです。来場者がパークのどんな点を思い出して戻って来るのかを考えるのです」とペリアレスは言う。「平衡点を見つけることは可能だと思います。」